炭素含有量が0.8%程度で強度が最大になるが、溶接性が低下する。
SS400:引張り強さ400N/mm^2で最も一般的だが、溶接性は考慮されていない。
SS490,SS540:高張力鋼。溶接性は良くない。
一般構造用圧延鋼材(SS):溶接性が良くない。
溶接構造用圧延鋼材(SM):炭素を減らして、マンガンやケイ素などの含有量を調整したもの。SS材に比べて溶接性に優れている。C種が最も衝撃特性に優れる。
SMA材:銅・クロム・ニッケル等を添加する事によりSM材に比べて耐候性を向上させたもの。
建築構造用圧延鋼材(SN):SS材に変わって構造用鋼材として使われる。B,C種は溶接用鋼材としても使われる。
SN400A:降伏点の下限のみ規定。塑性変形能力を期待しない部位に使用される。溶接には適さない。
SN400B,490B:降伏点の上下限が規定。降伏後の変形能力や溶接性が保証されている。
SN400C,490C:降伏点の上下限が規定。板厚方向に大きな引張り応力を受ける部位に使用される。490C材は特に通しダイアフラムに適する。
鉄骨の数字は引張り強さの下限値を示す。
鉄筋の数字は降伏点の下限値を示す。
降伏点:SS及びSM材の降伏点は下限値のみ規定されている。
F10T:引張り強さ1,000~1,200N/mm^2。
鉄骨の許容応力度:長期せん断のみ「F÷(1.5√3)」長期他は√3がない。短期は長期の1.5倍。
鋳鉄:引張り・曲げ・せん断に対して脆性的な破壊を起こす。圧縮の許容応力度のみ示され、他の応力が生じる箇所には使用しない。
鉄骨の基準強度:鋼材の降伏点と引張り強さの70%のうちいずれか小さい方の値。板厚の厚い鋼材の方が値が小さくなる。
鉄骨の材料強度:せん断のみ「F÷√3」他はFと同値。JIS規格品を用いた場合、1.1倍の強度とする事ができる。
鋼材の圧縮と引張りの性質は似ているので、圧縮強度も引張り試験により決められる。
鋼材の圧縮力に対する降伏点と、引張り力に対する降伏点はほぼ同一。
ひずみ度曲線:比例限度→弾性限度→上降伏点→下降伏点(降伏点)→最大強度→破談点
高強度の鋼材になるほど降伏点が明確に現れない傾向がある。
降伏点は板厚の厚いものの方が低くなる。
鋼材のヤング係数:(2.05×10^5)N/mm^2。引張り強さに関係なく一定で、たわみ等の弾性変形を小さくする効果等はない。
降伏点:(降伏点÷引張り強さ)値が小さいほど良く、粘り強い。
鉄骨のせん断性係数:(0.79×10^5)N/mm^2。
炭素の含有量が0.8%までは引張り・降伏点共に上昇するが、0.8%以上になると下降する。炭素の増加により比重・熱膨張係数・熱伝導率は低下する。
炭素など不純物を除いた純度の高い鉄は、引張り強さや降伏点が低くなる。
シャルピー衝撃試験:材料の靭性を判定する。値が大きいほど頑丈。
ビッカース硬さ試験:ダイヤモンドを押し付けて硬さを判定する。値が大きいほど硬い。
鋼材の引張り強さは250~300℃で最大。逆に伸びは最小となる。(青熱脆性)
鋼材の線膨張係数:(1×10^-5)コンクリートとほぼ同等。
ポアソン比:伸びのひずみ度と、それに対し直角方向に収縮するひずみとの割合。(0.3)
脆性破壊:低温になるにつれて引張り強さ・降伏点・硬さは増加するが、伸び・絞りは急激に低下して脆くなる。
ステンレス鋼:機械的な性質は炭素鋼と似通う。明確な降伏点がないので、基準強度について0.1%のオフセット耐力が採用される。普通鋼に比べ優れた伸び性能値を示す。
ステンレス鋼の線膨張係数:(1.73×10^-5)普通鋼に比べ数値が高い。降伏比やヤング係数は普通鋼に比べ低い。
建築構造用対火鋼(FR鋼):SN材にモリブデンなどを添加し、600℃においても常温時の3分の2以上の降伏耐力を持つ。
建築構造用TMCP鋼:炭素当量が低く規定され、優れた溶接性を有している。
アルミニウム:空気中では酸化皮膜ができるため耐候性に優れるが、海水・酸・アルカリに弱い。
アルミニウムは軟鋼に比べ比重やヤング係数は約3分の1、線膨張係数は2倍近い。
銅は堂々としている。
鉄とアルミニウムでは、アルミニウムの方が腐食する。
中間スチフナー:軸に対して直角に配置されるスチフナーで、梁・柱ウェブのせん断座屈補強に用いられる。
ウェブ:主にせん断力を負担。
フランジ:主に曲げモーメントを負担。
荷重点スチフナー:ウェブのせん断座屈補強、フランジの局部座屈の防止に用いられる。
水平(縦)スチフナー:ウェブの曲げ、圧縮座屈補強として用いられる。
シアコネクター(スタッドボルト):接合部に生じるせん断力に抵抗するために配置される接合具の総称。
鉄骨上にコンクリスラブを打設する場合にシアコネクターを設けるが、生じるせん断力はシアコネクターのみで負担する。この場合、一般的に頭付スタッドを用いる。
露出柱脚:軸方向力・曲げモーメントはベースとアンカーを介して伝達。せん断力は接触面の摩擦力(係数0.4)・アンカーの抵抗力により伝達。
回転剛性はピン又は剛設とみなせる場合以外は半剛設として算定。ピンは伸び能力を有するアンカーを使用。(転造ネジ)
転造ネジアンカーボルト:軸部断面積とねじ部断面積がほぼ同等で、塑性化が保証されたもの。
埋込み柱脚:軸方向力はベースを介して、曲げモーメントとせん断力は支圧により伝達。
埋込み深さは柱せいの2倍以上。
筋かい:接合部の破断耐力を重視。座屈しても引張り強度は低下しない。
ガセットプレートの片側のみの場合、偏心を考慮して突出部の半分は無効とみなしてもよい。
細長比:(座屈長さ÷断面二次半径)値が大きいほど座屈しやすくなる。
鉄骨の有効細長比は主要な柱で200以下、それ以外は250以下。
材料の基準強度が大きいほど、幅厚比の制限は厳しくなる。
繰り返し応力:1×10^4回を超える場合、疲労の検討を行う。その場合、切り欠きなどの応力集中、溶接の残留応力は考慮しなくてよい。
横補剛材:横座屈防止に用いる。小ばりにその機能を持たせる事が多い。
横座屈の検討には、略算式を利用しても良い。
H形断面の梁の許容曲げ応力度は、鋼種・断面寸法・曲げモーメントの分布・圧縮フランジの支点間距離が決まれば算定できる。
梁材のたわみ:通常、スパンの300分の1。片持ちは250分の1。
せん断力のみ作用する箇所に隅肉溶接をする。
大ばりと小ばりはピン接合の代表である。(曲げモーメントを負担するフランジが接合されていないため)
メタルタッチ継手で引張り応力が生ずる恐れがない場合、圧縮力及び曲げモーメントのそれぞれ4分の1は接触面より直接伝達するものとみなす。
接合部のパネルゾーンは、曲げモーメントとせん断力とを等価なせん断力に置換して設計する。
柱崩壊を避け、梁崩壊・パネル崩壊を伴う全体崩壊とする事が望ましい。
塑性ヒンジを設定する場合、大ばりの全塑性モーメントを柱の値より小さくする。
高力ボルト径が27mm以上の場合、孔径は3mmまで大きくしても良い。
縁端距離:ボルトの中心軸から接合する鋼材の縁端部までの距離のうち最短のもの。最大で部材板厚の12倍かつ150mmとする。
縁端距離はせん断縁又は手動ガス切断縁の場合の方が余裕をみて大きい値となる。(自動より誤差が大きいため)
支圧接合:鋼板の支圧とボルト軸部のせん断でボルト軸に直角方向の応力を伝達する接合法。高力ボルトは支圧ではなく摩擦で応力を伝達する。
スプリットティ接合:T型の接合ピースを用いて、梁フランジと柱フランジを高力ボルトで引張り接合する、梁端部の接合法。
摩擦接合のボルトの役割は部材間に摩擦力を与える事であり、ボルト軸部は直接せん断力を負担しない。
F10Tの材料強度:900N/mm^2。
摩擦接合部の許容せん断応力度は、すべり係数0.45(溶融亜鉛めっき高力ボルトの場合は0.4)をもとにして定められている。
すべり係数0.45:赤錆面、ブラスト処理(50μmRy以上)
2面摩擦(0.6)の許容耐力は、1面摩擦(0.3)の2倍。短期は長期の1.5倍。
せん断応力度:すべり耐力以下の繰り返し応力なら低減する必要はない。
高力ボルトは引張り力を受ける(締付けが弱くなる)と許容せん断応力度は低下する。
せん断力と引張り力を同時に受ける高力ボルトは、軸断面に対する許容せん断応力度を低減する。
トルシア形高力ボルトはナットに座金を用い、丸頭側には座金を使用しない。
単なるボルト接合の場合は、ボルト軸のせん断耐力によって応力が伝達される。(高力ボルトは摩擦)
イルミナイト系溶接棒:日本独自の最も一般的な万能棒。
低水素系溶接棒:高張力鋼、厚板(30mm以上)、太い丸鋼(直径50mm以上)の溶接に使用される。作業性が悪い。
フランジは突き合せ(完全溶込み)溶接。ウェブは隅肉溶接。
SS490とSS540の溶接継ぎ目は、応力を負担する事ができない。
突き合せ(完全溶込み)溶接ののど断面に対する許容応力度及び材料強度は、母材と同一の値を採用する事ができる。
突き合わせ(完全溶込み)溶接と隅肉溶接は接合される母材のせん断応力度と等しい。
異種金属を溶接する場合の許容応力度は、材のうちどちらか小さい方の値とする。
突き合せ(完全溶込み)溶接:全種類の応力を母材と同等に負担できる。
隅肉溶接:主としてせん断力のみを負担する。部分溶込み溶接も同様。
裏はつり:不可能な場合は裏当て金をつけて完全溶込み溶接を行う。裏当て金に補強の意味はない。
隅肉溶接のサイズは、薄い方の母材の板厚以下とする。(はみでないように)
エンドタブは問題がある場合を除き、存置してもかまわない。
隅肉溶接の有効長さは全長から隅肉サイズの2倍を差し引く。
隅肉溶接する母材の角度が60度以下又は120度以上のときには、応力を負担させる事はできない。
鉄骨ルート1:標準せん断力係数を0.3以上とする。水平力を負担する筋かいの端部及び接合部を保有耐力接合とする。
保有耐力接合:軸部が降伏するまで端部及び接合部が破断しない。塑性状態に至るまで仕口及び継手が破断しない。
鉄骨ルート2:層間変形角・剛性率・偏心率の検討。保有耐力接合とする。保有耐力横補剛を行う。
保有耐力横補剛:梁材の両端が全塑性状態に至った後、十分な回転能力を発揮するまで横座屈を生じない。
鉄骨ルート3:必要保有水平耐力以上である事。層間変形角が200分の1以内である事。
JIS規格品は基準強度を1.1倍に割り増しする事ができる。
偏心K型筋かい付骨組み:地震時のエネルギー吸収能力の高い筋かい。
鉄骨ルート2は筋かいの水平力分担率が7分の5を超える場合、地震による応力1.5倍として計算しなくてはならない。
筋かいの接合ファスナー(高力ボルト)で破断する場合、接合部の破断耐力の検討は高力ボルト軸部のせん断力と母材の支圧力により伝達されるものとして求める。
筋かい材の有効断面積は、ファスナー(高力ボルト)の本数が多いほど有効断面積を大きくすることができる。
安全率α:400N級炭素鋼で1.3。490N級炭素鋼で1.2。
490N級の梁を用いた方が、横補剛の間隔は狭くなる。